シソのアレルギー改善効果

香味野菜の紫蘇(しそ)に、アトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー症状を改善する作用があることがわかってきました。

アレルギーとは体に入ってきた、異物を攻撃・撃退しようと働く免疫機能が過剰になり、自分の体(細胞)を傷つけ、炎症などを引き起こす症状です。

人の体内に異物が入ってくると、それを撃退・排除しようと白血球が働きます。
この白血球の働きが高まって活性化すると、サイトカインという生理活性物質であるTNF(腫瘍壊死因子)が過剰に分泌されることによって、アレルギーの原因となる免疫グロブリンIgEが増強され、アレルギー症状を引き起こさせます。

異物となるものは、花粉、ほこり、ダニ、また牛乳や卵などの食品まで様々なものがあります。
これらを吸ったり食べたりすると、鼻の粘膜、気管支粘膜、胃腸の粘膜などが炎症を起こし、鼻水、喘息、おう吐、下痢などの症状を引き起こします。

しそには、TNFの分泌を抑え、免疫の過剰反応を抑制する、免疫機構の調整を行う作用があります。
この調整作業の働きは、しそに含まれるフラボノイドの一種で、ルテオリンという物質です。

しその効果は、臨床的にも確認されています。
アトピー性皮膚炎の人に、しそジュースを飲んでもらったり、しそクリームを塗布してもらうと、70~80%の人に症状の改善がみられたということです。

しその優れる点は、過剰反応をほどよく抑制してくれることで、免疫機能を必要以上に落とさないように調整してくれるところです。

なお、しその優れた有効成分は、加熱しても、アルコールや酢に漬けても変わらないので、アレルギーのある方は、料理を工夫してしそを多く取り入れましょう。