白血球機能の活性化

体内にウイルスや細菌が侵入してきたとき、それを退治するのが白血球の役目です。

免疫機構の柱である白血球は、いわゆる血液のパトロール隊といって良いでしょう。
体内を巡視点検し、ウイルスや細菌などの外的を見つけ出し、直ぐに捕らえます。

しかし、白血球の働きが低下していると、外的に負けて風邪などの病気にかかってしまいます。

この働きは、ガン細胞に対しても同様に作用します。
白血球が正常に機能していれば、体内にガン細胞が発生しても、それを撃退してくれます。

よって、人が健康的に生活していくためには、外的やガン細胞に負けない免疫力、つまり、白血球の働きを高めておく必要があります。

白血球には種類があり、感染する菌や強さによってどの白血球が働くかが決まってきます。
この種類には、顆粒球、マクロファージ(大食細胞)、リンパ球などがあります。

細菌が入ってきて、最初に出てくるのが顆粒球です。
細菌を撃退する戦闘力は弱いのですが、まずは先鋒として異物を撃退しようと働きます。

時々、傷口がうんだりだりすることがあると思いますが、この膿の正体が細菌と顆粒球が闘った後の残骸なのです。

顆粒球で対処しきれないと、次はマクロファージの出番です。
大食細胞と呼ばれるだけに、闘う力は強力です。

それでも対処しきれずに1~2週間たつと、リンパ球が出てきます。

つまり、侵入してきた相手が弱ければ、顆粒球だけで処理してしまい、マクロファージやリンパ球の出番がないこともあります。

白血球が活性化するというのは、まずこの顆粒球やマクロファージの数が増えることで、同時に質、つまり効力のある白血球に変化することです。

白血球のマクロファージは、サイトカインと呼ばれる微量タンパク質を分泌します。
このサイトカインが、ガン予防に有効な働きを行います。

サイトカインには、インターフェロン、インターロイキン、TNF(腫瘍壊死因子)などの種類があります。
特に、TNFがガン細胞を撃退死滅させる効果が高いと考えられています。

TNFは、ガンなどの腫瘍を殺す物質ということで、マクロファージがガン細胞を撃退するときには、必ずこのTNFがあらわれます。
つまり、TNFが多くつくられる白血球が、活性が高く、ガン細胞を殺す効果が強いということです。

それでは、どのような食材がTNFをつくるのに役立つのかというと、これまでの実験によると、バナナや淡色野菜にその効果が期待できることがわかってきました。

バナナで白血球を増やす

発ガン性物質が体内に侵入し、細胞を傷つけようとするとき、白血球は、TNF(腫瘍壊死因子)を分泌して攻撃します。

このように大切な働きを持っている白血球の数を増やし、質を高めてくれる作用が、果物のバナナにあることがわかっています。

帝京大学薬学部の山﨑正利教授が行った実験で、バナナを遠心分離器にかけて個体と液体に分け、その液体の上澄みをマウスに投与した結果、マウスの白血球が著しく増加すると共に、TNFの分泌を高めたということです。

バナナの効能、効果を十分に生かすには、熟して皮に黒い斑点(シュガースポット)が出ている食べごろのバナナを選んで食べましょう。

淡色野菜が白血球の働きを高める

近年、野菜には白血球の働きを高めさせる物質が豊富に含有されていることが明確になってきました。

キャベツや大根、ナスなどの淡色野菜に白血球の働きを強める効果があることをマウスを使った実験で確認されています。

実験では、数種類の野菜の汁をマウスに飲ませ、TNF値がどう変化するか調べました。

その結果、キャベツ、大根、ナスなどの淡色野菜の汁を飲ませたマウスは、ただの水だけを与えたマウスに比べ、約10倍のTNF値(TNF活性)を示しました。
しかもこの活性値は、にんじんやピーマンなどの緑黄色野菜をも、上回っていることがわかりました。

疫学調査によって、野菜を多く食べる人はガンにかかりにくいという結果がでており、周知されていますが、その中心になっているのがほうれん草やにんじんなどの緑黄色野菜でした。

しかし、白血球の働き強化を考えると、淡色野菜もガン予防にたいへん効果的であることわかりました。

健康維持増進に必要な免疫力を高めるためには、色々な野菜をバランス良く食べるように心がけましょう。

>>ファイトケミカルで白血球を活性化