中国の文献による杏子(あんず)の効能

上古時代の文献 神農本草より

  • 杏仁は、咳、重度の喘息、呼吸困難を治し、肺にたまったよくない「気」を取り除く。
    また、ケガによる皮膚潰瘍、胃腸痙攣などの症状の改善に適する。

唐時代の文献 備急千金要方より

  • 未成熟のアンズは大変酸っぱいが、その中で核がかたくないものを取り、太陽に当てて干して食べると、口の渇きが癒され、悪い「気」によって発生した毒を消す効果がある。


あんず

中国では、「杏」は医者を表します。
漢の時代、董奉という名医が廬山に住んでいました。

彼は、一切の治療費を取りませんでしたが、その代わり、治った患者に向かって「5本のアンズの木を診療所の周りに植えて欲しい」と言ったそうです。

数年後にその一帯はアンズの林になります。
董奉は毎年アンズを収穫すると、それを売って、貧しい人たちを救うための薬代に当てたのでした。

この話から、医者を称える言葉「杏林春暖」(医者の心は春の陽光のように暖かい)や「誉満杏林」(優れた医者の技術は天下にとどろき有名である)が生まれました。

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