紫外線と免疫力

太陽光に含まれる紫外線は、私たちの皮膚を丈夫にして、病気に対する抵抗力をつけてくれる働きを持っています。

ところが当たり方によっては、その紫外線がまったく逆に、私たちの免疫力を失わせる働きを持つもろ刃の剣になりかねないものなのです。

太陽光紫外線

しかし、紫外線は免疫療法に利用されることがあります。
紫外線の中でも波長の長いものは、リンパ球を刺激して活性化することができるのです。

ところで、紫外線といっても波長には幅があり、作用も違うので、波長の長いものからUVA、UVB、UVCの3種類に分けられます。

波長が最も短いUVCはエネルギーも強く殺人光線といってもよいほど有害です。

UVBは、日焼けしたときなど肌にダメージを与え水疱を起こさせます。

UVAは、治療に使われるくらいですから作用は穏やかですが、長時間さらされると肌の弾力を失わせます。

これらさまざまな波長の紫外線は、太陽からすべて地球に届いていますが、幸いなことに、地球を取り巻くオゾン層によって大部分が吸収されます。

UVCはそのほとんどが吸収され、UVBとUVAも日焼けを起こす程度にだけ地上に届きます。

だからこそ、ちょっと前までは、日光浴は自然治癒力を増すために必要な健康法だったのです。

しかし、現在は紫外線から守ってくれていたオゾン層が、エアコンや冷蔵庫などに使われているフロンガスによって、薄くなってきています。

そのため、世界各地で太陽から降り注ぐ紫外線量が増え、私たちの健康に対する脅威となってきています。
受ける量が増えれば、UVAやUVBも人の免疫力にダメージを与えるからです。

日本に降り注ぐ紫外線も強くなってきているといわれます。

この紫外線の害は、長年にわたってむしばむのですから、日常的に紫外線を防ぐ工夫をすることが、免疫力を損なわずに、ガンなどの病気から身を守る方法の一つなのです。

そのためにも、日光浴は1日30分以内にする、外出のときは紫外線を通さないクリームを塗り、サングラスをかけ、紫外線を直接肌や目に浴びないようにすることが大切です。