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ウリ科のカボチャには、甘味が強くてホクホクしている西洋カボチャと皮が硬くてねっとりした日本かぼちゃなどがあります。
カボチャはアメリカ大陸の古代人が、5000年以上も前から食用や器として利用されていました。
コロンブスがヨーロッパに持ち帰ると、すぐにヨーロッパ全土に普及します。
それからわずか50年後の1542年、ポルトガル船が日本にカボチャをもたらし、1573年に長崎に入り、農家で栽培されるようになりました。
日本では昔から「冬至にカボチャを食べると風邪をひかない」と言われています。
冬野菜というイメージが強いかもしれませんが、カボチャの収穫の季節は夏から初秋にかけてです。
カボチャは丸ごとなら冷暗所で長期保存ができます。
緑黄色野菜が少ない冬場まで残しておいたカボチャを食べることで厳しい寒さを乗り越え栄養を補ってきた、昔の人のくらしの知恵が活かされています。
カボチャは糖質が全体の20%を占める、野菜としては水分が少ない高エネルギーの食品です。
カボチャはビタミンAとなるカロテン、ビタミンC、葉酸、食物繊維等、バランスのとれた代表的な緑黄色野菜です。
西洋カボチャは、日本カボチャの5倍のβ-カロテンを含み、2倍の糖質を含むので美味しいです。
カボチャの果肉が黄色いのはカロチノイド(色素)のβ-カロチンが豊富に含まれているからです。
β-カロチンは、必要に応じ体内でビタミンAに変化して吸収され、皮膚や粘膜を健やかに保ったり、抵抗力をつける働きをします。
パソコンの画面を見過ぎたことによる、目の疲れにも効果的です。
加えてβ-カロチンは、ビタミンAに変わらないまま体内で貯蔵され、強い抗酸化力を発揮するのも大きな魅力です。
体の中に有害な活性酸素が増えると、これが発ガン物質を生成したり、悪玉コレステロールを増加させるため、ガンや動脈硬化などの怖い生活習慣病の原因となってしまいます。
かぼちゃに含まれるβ-カロチンは、この活性酸素を除去して、様々な病気から体を守る抗酸化力が大きいのが特長です。
「冬至カボチャ」は野菜の少ない冬を健康に乗り切るための理にかなった習慣なのです。
主要成分 | 西洋かぼちゃ | 日本かぼちゃ | ズッキーニ |
カロテン | 4000μg | 830μg | 320μg |
ビタミンC | 32mg | 16mg | 20mg |
炭水化物 | 21.3g | 13.3g | 2.8g |
葉酸 | 38μg | 75μg | 36μg |
食物繊維 | 4.1g | 3.6g | 1.3g |
ヘタが乾燥していて、その周囲がくぼんでいるものが完熟です。
カット済みのものは、果肉がみずみずしく、種がぎっしりと詰まっていて、ワタがしっとりしているものを選ぶ。
保存に一番よい条件は、温度10℃、湿度70~75%ですが、一般家庭ではこの条件をつくるのは難しいので、ミニコンテナに入れ、できるだけ涼しく、温度変化の少ない場所で保管しましょう。
カットした使いかけのものは、切り口をラップで包み、冷蔵庫の野菜室に保管し、早めに使い切りましょう。