中国の文献による胡桃(くるみ)の効能

唐時代の文献 食療本草より

  • クルミを食べると、食欲が増進し、血行は良くなり、骨、肉が丈夫になり、皮膚のきめが細かくなり艶が出る。

明時代の文献 本草網目より

  • クルミは、血液に栄養を与え、悪い熱による体液の消耗を防ぎ、痰を消し、「命門」(生殖機能)に良い効果がある。
    また、肺を温かくし、腸に潤いを与える。
    さらに、喘息や咳、足腰の痛み、心痛、腹痛、下痢、血便等の症状を治すほか、銅の解毒作用もある。


クルミを外側から見ると、人間の脳と形が似ているため、古代中国では、クルミは脳を滋養する食物といわれ、「科挙」(官吏の登用試験)を受験した知識人の多くは、試験前にクルミを食べたといわれます。

実際のところ、クルミに含まれているリン質は、人間の脳神経に有益で、脳を元気にする効果があります。

中国では、漢の武帝の時代、西域に派遣された使者が、クルミを持ち帰り、それ以降、栽培されるようになりました。

このため、外国を表す「胡」の字を取って「胡桃」(くるみ)と名づけられたそうです。