中国の文献によるゆり根の効能

唐時代の文献 日華子諸家本草より

  • ゆり根は心に安らぎを与え、五臓に栄養を与える。
    また、ヒステリーなどの発作、乳腺炎、産後の血行不良などの症状を治す。

南北朝時代の文献 名医別録より

  • ゆり根は、胸部のむかつき、風邪による熱、全身の痛み、咽喉の腫れ、涙が止まらないなどの症状に効果がある。

上古時代の文献 神農本草経より

  • ゆり根は、おもに悪い「気」による腹の張り、胸の痛みを治し、大小便の排泄を助け、内臓の栄養を補う。


漢の時代の名医張 仲景はゆり根で「百合知母湯」「百合湯」「百合地黄湯」など有名な処方を発明し、良い効果を得たという記録が残っています。

中国の「道教」でも、穀物を食べずにゆり根を良く食べると、身体が軽くなり、敏捷さが増し、精力が増強されるという考えがあります。

昔から、中国人は「ユリ」(百合)をめでたいものと見ており、四字熟語「百事合意」「百年好合」という言葉もあります。

また、一般民衆の間には、結婚するとき、嫁入り道具の上にユリを置く習慣がありました。
これは、夫婦生活がうまくいくように、という願いが込められていました。