中国の文献によるにんじんの効能

明時代の文献 本草網目より

  • にんじんは、内臓に栄養を与え、食欲を増進させるなどの効果がある。

明から清時代にかけての文献 より

  • にんじんは、生で食べられるほか、味噌、酢、砂糖などに漬けても食べられ、野菜の中でもっとも有益である。

清時代の文献 医林纂要より

  • にんじんには、潤腎命(腎臓を滋養する)、壮元陽(腎臓の活力を強める)の動きがあり、寒気と湿気を取り除くなどの効用がある。


昔の中国では、にんじんは、大根の一種だと思われていました。
実際には、にんじんはセリ科、大根はアブラナ科です。

にんじんの薬用効果が、漢方薬の東北人参(朝鮮人参)と似ていることから、日本ではにんじんと名づけられました。

元の時代の宮廷の太医(貴族の専属医)が、皇帝への料理に、にんじんを多く用いました。

明の時代には、にんじんは、宮廷料理や先祖を祭るときには、必ず使われるようになりました。

明の末期から清の初期時代にかけては、にんじんを生で食べるほか、味噌や酢や砂糖に漬けて食べるなど、もっとも有益な野菜として、評価されました。