ほうれん草

緑黄色野菜の王様といわれ、ビタミン、ミネラル、食物繊維など多くの栄養素をバランスよく豊富に含んでいるのがほうれん草です。

ビタミンに関していえば、ビタミン剤も顔負けの宝庫であり、ビタミンCだけをとってもその量はミカンをしのぐほどです。

とりわけビタミンA、C、Eという抗酸化力の高いビタミンがこれほど多い食材はなかなかありません。

ほうれん草おひたし

たとえば、1人分のおひたしを食べただけで、成人1日分のビタミンAとCの必要量を摂ることができます。

がんや生活習慣病の予防に優れているうえ、ビタミンB郡が栄養素の代謝を助け、カルシウムは骨を丈夫にし、食物繊維は便通を良くして有害物質を体外へ排出してくれます。

ほうれん草の栄養面で忘れていけないのが野菜では含有量がトップクラスの鉄分と、葉酸(ビタミンBの仲間)の多さです。

共に造血作用のこれらの栄養素は、とりわけ貧血気味の女性や妊婦さんには欠かせないものです。

中でも鉄分は体に必須でありながら、食事からはなかなか吸収されにくく、ある程度まとまった量を食べられるほうれん草は貴重な食材です。

一般に、動物性の食品に含まれるヘム鉄に比べ、植物性の非ヘム鉄は吸収の悪いところが難点ですが、幸いほうれん草にはビタミンCが多いため、この点も安心です。
ビタミンCには鉄分の吸収を助ける強い働きがあり、貴重な成分をしっかり活かすことができます。

漢方医学では、ほうれん草は、血液に栄養を与え、出血を止めるなどの効果があると考えられています。

また、高血圧、解決後、血便、便秘、消化機能の向上などにも、用いられています。

ほうれん草を食べる際の注意点

ほうれん草のアクの成分であるシュウ酸は結石の原因になるといわれ、すでに結石のある人は食べ過ぎに注意する必要があります。

ただこれは、ゆでて一度水洗いすれば取り除けるうえ、肉や卵、豆などの良質のタンパク質と一緒に摂れば、その弊害が抑えられます。

ほうれん草の成分



確認されているほうれん草の効能

  • ほうれん草には、造血に必要な物質である鉄分が多く含まれており、赤血球、血色素の増殖を促進させます。
  • ほうれん草に多く含まれている葉緑素は、血液を浄化し、膵臓のインシュリンの分泌を促します。
    また、葉緑素には抗がん作用があります。
  • ほうれん草は、ベータカロチンの含有量が野菜の中でもトップクラスです。
    これは、抗がん作用が強く、免疫力を高めてくれます。
  • ほうれん草に含まれているカロチノイドやビタミンEは、眼球の水晶体のタンパク質の酸化を抑え、目の保護に役立ちます。
    これにより、白内障の予防が期待できます。