病気と遺伝子の関係

人の体は、元をたどると1個の受精卵です。
そこから細胞分裂を繰り返しつつ身体のさまざまな部分が作られ、最終的には60兆個もの細胞を持つ人の体ができあがります。

人体を構成する細胞のひとつひとつには、2万5千種類もの遺伝子が含まれています。

遺伝子は、いわば人の設計図の役目を果たすもので、A,G,C,Tという4つの記号の組み合わせから成り立っています。

その設計図を元に、組織を再生したり、病気から体を守ったりするのに欠かせないタンパク質が作られます。

しかし、その設計図に誤りがあったらどうなるでしょうか。
タンパク質が作られなかったり、間違った配列のタンパク質が作られたりして、細胞に異常が発生し、さまざまな病気にかかりやすくなります。

親から子に伝えられた遺伝子の情報にエラーがあると、遺伝病が起きやすくなります。

ただ、がんや心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病は、病気そのものが遺伝するわけではありません。
遺伝病と違い、大部分の病気は、その人の生まれながらの体質とウイルス、生活習慣などの環境要因の組み合わせによって発症します。

一般に、病気の原因には、遺伝要因と環境要因があると言われています。
例えば、糖尿病は、生まれつきのさまざまな種類の遺伝子異常の素因を持っている人に、肥満や運動不足などの環境要因が加わって起こると言われています。

このように、多くの病気は、複数の遺伝要因と環境因子とが複雑に絡み合って発症します。



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