肥満を改善するギムネマ酸

ギムネマ酸は、インドから東南アジアにかけて自生するガガイモ科の植物ギムネマ・シルベスタの葉から抽出された成分です。

ギムネマ酸は、小腸での糖質(ブドウ糖)の吸収を抑える作用があります。

食事で糖を摂取しても吸収が抑えられ、血糖値の上昇を抑えます。このため、空腹を感じるまでの時間が長くなり、間食をしなくなるようになります。

また、糖の吸収抑制は、エネルギー制限に有効ですから、無理なダイエットで健康を損ねることなく、肥満解消に役立ちます。

吸収されない未消化物は、食物繊維と似た働きをして便の量を増やし、腸内通過時間を短縮するなど便秘にも効果があります。

ほかにも、グルカンの合成を抑えて、虫歯の発生を阻止する効果があります。

さらに不思議なことに、ギムネマ酸は味覚に働きかけ、糖の甘味を感じさせなくさせる作用があります。
ギムネマ・シルベスタの葉を噛むと、1~2分で舌が砂糖の甘みをまったく感じなくなります。
そのため、お菓子などを食べても甘味による満足感が失せて、食べたいと思わなくなります。

感じなくなるのは甘味だけで、塩味や酸味などに変化はありません。

この理由については、まだよくわかっていませんが、ギムネマ酸は、ブドウ糖によく似た成分をもっているため、舌の甘味を感じる部位に結合してしまい甘味を感じなくなるという説や、舌の甘味を感じる部位の部位の近くに結合し、甘味を感じる部位の働きを妨げるという説もあります。

こうしたことから、ギムネマ酸の摂取は肥満防止に効果があるとともに、糖分の摂取制限を続けなければならない糖尿病の治療薬としても効果が期待されています。