なす

ナスの原産地はインドと推定されます。
ヨーロッパには中近東を経て、13世紀ごろに伝わっていますが、最初は観賞用として栽培され、現在もあまり栽培されていません。

日本へは中国を経て伝わり、最古の記録は東大寺正倉院の文章に、750年に「藍園茄子を進上したり」との記録があります。

巾着型、長形、小形など、全国各地に様々なご当地ナスがあるほど、日本人はナス好きです。
漬け物をはじめ、焼きナス、煮浸し、田楽、炒め物に天ぷらと色々な調理法で楽しめます。

なすの栄養効果

ナスは、一見そうは見えないものの、成分のほとんどが水分という野菜です。
食物繊維カリウムはある程度ありますが、他のビタミンなどはあまり期待できません。

しかし、ナスには一般的な栄養素以外にいくつか特筆すべき性質があり、健康づくり役立ってくれます。

ナスの特徴は、その果肉がスポンジのような働きをして、油分をどんどん吸収して、食べるときにしつこさを感じさせないということです。
これにより、夏バテなどで食欲がわかないときも、ボリュームある炒め物なども食べやすくなりますし、ビタミンEの豊富な良質の植物油を摂るうえでおすすめです。

ビタミンEには強い抗酸化の働きがあり、ガンをはじめ悪玉コレステロールによる動脈硬化など、生活習慣病の予防にはかかせません。
栄養面では、不足のあるナスですが、こうして間接的に他の成分を摂取する手助けをしてくれます。

ナスの紫色はアントシアニンの一種「ナスニン」という色素成分です。
アントシアニンは、ポリフェノールの一種で、抗酸化作用があり、血中コレステロール値を下げ、動脈硬化や生活習慣病の予防効果が期待できます。

中医では、暑い真夏に旬を迎えるナスは、水分が多く体を冷やす性質があるので、夏バテ防止の野菜として考えられてきました。
ただし、食べ過ぎるとお腹を壊すことがあるので気を付けましょう。

なすの注目成分

  • カリウム、アントシアニン、ナスニンなど。

なすの主な栄養成分(可食部100g当たり)

主要成分ゆで
カリウム220mg180mg
β-カロテン100μg98μg
ビタミンB10.05mg0.04mg
ビタミンB20.05mg0.04mg
ビタミンC4mg1mg
食物繊維2.2g2.1g

ナス



確認されているなすの効能

  • ナスと言えば独特の紫色ですが、これはナスに豊富なポリフェノール(光合成によって作られる植物の色素)の一種、青紫のアントシアニンによるものです。
    アントシアニンには抗酸化力があり、有害な体内の活性酵素を除去します。
    また、発ガン物質の生成や、コレステロールの酸化・沈着による動脈硬化を予防してくれます。
  • 皮に多い色素のナスニンは、血中のコレステロールを抑え、動脈硬化を防ぎます。
    料理の際は、皮ごと利用すると良いでしょう。

なすの保存方法

最適保存温度は8~12℃と高めなので、冷蔵庫で保存する場合は、新聞紙に包んでからポリ袋に入れて野菜室で保管する。

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