柘榴(ざくろ)

イラン、アフガニスタンなどの小アジア地方を原産とするザクロ科の落葉樹です。

ざくろ

古代ローマ時代には花の美しさと薬効で貴重な果実とされてきました。また、旧約聖書にもその名が記されています。
ザクロは種子が多いことから、古代ヨーロッパでは豊穣の、中国では子孫繁栄のシンボルとされてきました。

日本には平安時代に渡来しました。
当時は銅鏡磨きに種子を利用していました。
種子がクエン酸、リンゴ酸などの有機酸を多く含んでいることによります。

欧米では清涼飲料水の原料に利用されています。

ザクロの幹、枝、根の皮を乾燥したものが生薬「石榴皮」です。
石榴皮にはアルカロイド、ペレチェリン、イソペレチェリン,タンニン,マンニットなどが含まれます。
イソペレチェリンはサナダ虫などの駆除に効果があります。

ドイツやイギリスではかつてサナダ虫の駆除に使用していましたが、毒性が強く,普通量でもめまいや震えなどの副作用があるため、最近では使用されなくなりました。

熟した果実の皮を乾燥させたものが石榴果皮です。
果皮にはガラナチンなどのタンニンを多く含みます。
漢方では寄生虫の駆除、下痢止め、特にアメーバ性の腸炎の下痢に用います。
寄生虫の駆除には根皮のほうが強い効果がありますが、副作用の強いのが難点です。

果皮は主に下痢に用います。
また、果皮には止血、かゆみを抑える作用があり、性器出血や帯下、脱肛に用います。
民間療法として、煎じた液を冷まし、うがい薬として扁桃腺炎や喉の痛み、歯痛、口内炎、口臭予防に用います。

ざくろの成分

確認されているざくろの効能

  • 寄生虫の駆除
  • 下痢,アメーバ性腸炎の下痢
  • 性器出血、帯下、脱肛

煎じた液をうがい薬として

  • 扁桃腺炎、喉の痛み、口内炎、歯痛、口臭

ざくろの利用法

石榴皮:1日量として30~40gを煎じて、温かいうちに服用します。
 
熟して口の開いた果実を金属の道具を使わず手でむき、果皮を細かくちぎって日干しにします。
果皮5~10gを水200cc、ザクロの実1個に水200~400ccで煎じ、冷ましてうがいをします。
 
ザクロ酒をつくっても便利です。



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