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野生イチゴは遺伝子のセットが二つの2倍体ですが、アメリカ大陸には遺伝子セットを8セット持った、8倍体の大きなイチゴが分布していました。
「バージニアーナ」と「チロエンシス」で、これが現在の大きなイチゴの基になりました。
前者は16世紀に、後者は18世紀にヨーロッパに渡り、フランスでこの品種を交配させたタネから「パインイチゴ」がつくられ、現在の品種の基となります。
日本へは江戸時代末にオランダから持ち込まれたため、和名「オランダイチゴ」と呼ばれました。
明治時代、苗で輸入されましたが、ほとんどの苗が途中で枯死しました。
そこで、タネを購入してタネまきしたことから日本独自の品種開発が始まり「福羽(ふくば)」が育成されます。
その後、多くの品種ができました。
イチゴはミカンの2倍以上もビタミンCを含有する、まさしくビタミンCの女王ともいうべき果物で、その含有量は5粒も食べれば1日のビタミンC必要量60mgが取れるほどです。
ビタミンCは動物の場合、体内でブドウ糖から合成しますが、人間はこれができないために、毎日食物から取る必要があります。
イチゴに豊富なビタミンCは、風邪の予防にも効果的で、ウイルスなどの病原体が体に入ってきたとき、これを排除する免疫機構の主役である白血球の働きを助ける作用がビタミンCにはあります。
風邪を引きやすい人の血液中にはビタミンCが不足していた、との研究結果も報告されています。
イチゴには、ほかにも食物繊維の1種であるペクチンが豊富に含まれています。