妊婦期・授乳期の栄養の取り方

妊娠期はママが摂取した栄養の一部が赤ちゃんの成長に使われ、授乳期にはそれによって母乳がつくられます。

したがって、妊娠期・授乳期にはいつもより多くのエネルギー量を必要とします。

エネルギー、タンパク質ビタミン、ミネラルなどをバランスよく取ることが大切です。

妊娠中に葉酸が不足すると、赤ちゃんに神経管閉鎖障害という脳や脊髄の発達異常のリスクが高まります。
葉酸を十分に取ることが重要です。

また、妊娠期に体重が増えすぎると、妊娠高血圧や妊娠糖尿病を発症することがあります。
食事と体重の管理をしっかり行いましょう。


妊娠初期(妊娠4~15週)

ビタミンAの取り過ぎには注意

レバーやウナギなどに多く含まれるビタミンAは、取り過ぎると赤ちゃんの形態に影響するリスクが高まりますので、食べる量や回数を減らすよう心がけましょう。
目安としては、1日につき650~700μgREまでです。

妊娠初期の体の変化

  • 乳房が張ったり、乳輪が黒ずんでくる。
  • つわりで精神的に不安定になる。


妊娠中期(妊娠16~27週)

鉄とカルシウムをしっかり

安定期に入ると、つわりのあった頃に比べて食事内容に気を配りやすくなります。
牛の赤身肉や青菜類に豊富な鉄、乳製品に豊富なカルシウムは赤ちゃんに優先して使われ、ママは不足がちになりやすいため、十分に取る必要があります。

妊娠中期の体の変化

  • おなかの大きさが目立ち始める。
  • 腰痛や肩こりを起こしやすい。
  • 貧血になりやすい。


妊娠後期(妊娠28~39週)

むくみ対策のため、塩分控えめに

妊娠後期は手足がむくみやすくなります。
むくみは体重増加にもつながりますので、むくみの原因となる塩分の取り過ぎには注意しましょう。

特に、外食やインスタント食品は高塩分になりがちなので、控えめにするのが大切です。

妊娠後期の体の変化

  • 胃の圧迫感や胸焼けを起こしやすい。
  • 動悸・息切れが起こる。
  • 便秘や痔が起こりやすい。


授乳期

母乳に使われる鉄やエネルギーを補う

授乳期において、栄養やエネルギーは、ママの体と母乳に使われるため、多めに取る必要があります。

特に鉄は、出産時にも失われているので意識して取るように努めましょう。
また、母乳に水分が使われるため、こまめな水分補給も忘れず取るようにしましょう。


妊娠中の目標体重

  • BMI=体重 ㎏÷(身長 m × 身長 m)で求められます。
妊娠前のBMI妊娠全期間での増加の目安1週間あたりの増加の目安
18.5未満(やせ)妊娠前の体重+9~12kg+300~500g
18.5~25未満(標準)妊娠前の体重+7~12kg+300~500g
25以上(肥満)妊娠前の体重+7~13kg個別対応


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