キノコ類で免疫力を高め、体のサビを防ぐ

キノコ類に含まれるβ-グルカン

キノコ類には、ガンを抑制する効力を持つ多糖類が多く含まれています。キノコの多糖類は、ガン細胞を直接攻撃するのではなく、生体がもっている免疫力を高めることに、ガン細胞を抑制します。こうした作用を免疫賦活作用といいます。

免疫賦活作用は、活性酸素の発生を抑える、つまり酸化を防いで細胞のサビつきを抑えます。

キノコの多糖類はβ-グルカンと呼ばれ原糖から生成された黒酵母菌の培養液を抽出してできるものです。β-グルカンには、免疫機能をもつマクロファージやT細胞、NK細胞などを活性化させる作用があり、これによって、ガンや活性酸素を消し、体を守ってくれるのです。

このほかβ-グルカンは、血糖値を下げたり、血圧を調整する作用や、抗ウイルス作用、アレルギー抑制作用なども持っています。

また、低エネルギー食品のキノコ類は、食物繊維ビタミンB1・B2も多く含んでいます。

キノコの特有成分は抗癌薬にもなっている

免疫力アップの効能があるとされているのが、シイタケ、スエヒロタケ、カワラタケ、ブクリョウ、ナメコ、エノキタケ、ヒメマツタケ、シメジ、マツタケ、マイタケ、チョレイ、サルノコシカケ、レイシ、メシマコブなど。

このうち、シイタケから抽出したレシチンとスエヒロタケの多糖体であるシゾフィラン、カワラタケの菌糸体からつくるクレスチンは、医家向けの抗がん薬として利用されています。

健康食品としても、アガリスク(ヒメマツタケ)、シイタケエキスのほか、各種市販されています。

活性酸素を発生させる過食、肥満はキノコで解消

過食はエネルギーを多く消費することになるので、その分活性酸素もたくさん発生します。また、体内にため込んだ脂肪は、酸化作用の標的、体のサビつきのもとです。活性酸素害を受けやすい過食と肥満を断ち切って、重大な病気に進行するのを防がなければなりません。

キクラゲ、エリンギ、マイタケ、干しシイタケなどの多くのキノコ類には、脂肪を減少させ、肥満を解消すろ作用があります。特にエリンギには体重の増加を防ぎ脂肪肝を予防する働きがあるので肥満対策に有効です。キノコ類を積極的に摂取し、肥満を解消しましょう。

マイタケD-フラクションで免疫細胞を活性化

マイタケは、マイタケD-フラクションという成分を含んでいます。β-グルカンの一種でタンパク質が結びついてできた、マイタケ特有のものです。

このマイタケD-フラクション、マクロファージ、T-細胞、NK細胞といった免疫細胞の力が衰えてくると、これらの細胞に強い刺激を与えます。刺激を受けた免疫細胞は、再び活性化し、活性酸素によって発生したガン細胞を減らします。免疫力が高まるので、かぜやインフルエンザにかかりにくくなるという効能もあります。

マイタケは、もう一つ特有の成分をもっています。マイタケX-フラクションがそれで、血液中のブドウ糖が細胞内にうまく取り込めるように働きかけます。そのため、糖尿病予防に役立ちます。

マイタケの摂取量は、週に100g、1日おきに30gとれば効果があるとされています。

キノコの有効成分を100%生かす調理法

キノコ類に含まれるβ-グルカンは、水溶性のため、洗うと成分が溶け出してしまうので洗わずに調理するのが理想的。熱にも弱いため、高熱で長時間調理するのは、できるだけ避けるのが良いでしょう。